ペットを失ったご家族は、同じ家族間でも決して同じではなく、それぞれ別の心情となって表れます。特にお子様の場合は、大人とは大きく異なることもあります。
今回は、ご家族それぞれのグリーフの表れ方と、対処方法をご案内していきたいと思います。
グリーフの表れ方の違い
家族でペットと一緒に暮らしていた場合、同じ家族同士でも性格や人生経験、価値観などの違いで、それぞれ違ったグリーフが生じることがあります。また、家族だからこそお互いに配慮し、遠慮し合ってしまうために、家族全員が正直に本当の悲しみを見せることができなかったり、悲しみが深く、悲しすぎるゆえに、亡くなったペットの話ができなかったりする場合もあります。
こうした状態は、ペットロスを長引かせてしまう原因にもなってしまう場合があります。
家族全員が、ペットとそれぞれのオンリーワンのつながりや、絆を築いているので、それぞれに違う悲しみを抱くのは当然であり、当たり前なのです。
それぞれに違ったグリーフを抱えていても、家族間で話し合ったり、正直に気持ちを表に出して、悲しみを共有しましょう。
家族間の温度差を認めよう
家族全員が同じ距離感でペットと過ごしていない場合も多くあります。例えば、仕事が忙しくなかなか家に帰れない人、自分自身のことでペットまで手が回らない人など、いつの間にかペットとの距離が開いていく家族もいるでしょう。
しかし、毎日一緒に過ごしていたり、散歩に連れて行ったりとごく近い距離で愛情関係が深い家族のもちろんいますよね。そんな人達に対して、「いつまで泣いているの」「いつまでもくよくよしないで」などと、悪気はないものの元気づけるつもりの言葉が、思わず強い口調になってしまうことがあります。そして「そんなに悲しんでいるとあの子も成仏できないよ」「今、あの子の話をしても仕方ない」など口にしてしまい、家族の心の傷を深くしてしまうこともあります。
このようなことにならないために、家族それぞれにグリーフの表れ方が違う事をよく理解し、お互いに否定しない姿勢がとても大切なのです。
子供へのグリーフケアの方法
子供にとって、初めて出会ったペットは。心を許しあえる「親友」のような存在に感じていることが多いです。大人が感じる「ペットは家族」という考え方とは少し異なり、主従関係ではなく「ペットは自分と同等」と考えていることが多いのです。子供はそのような感情を持ちながら、ペットと一緒に成長していきます。ペットがいつも自分を待ってくれているのが当たり前の生活を送ることになります。ペットから見れば、子供から大人になる過程をそばで見てきた身近な存在として感じ、子供とペットは自然な形でお互いに安全を感じる仲間になっていきます。
そうした子供にとってペットの死は謎だらけのはずです。「死んでしまうとはどういうことなんだろう」と感じてしまうでしょう。ペットの死が初めてのお別れの時間であることが多いので、大人の不安や恐怖の表情を敏感に感じ取り、ありのままの気持ちを打ち明けられない環境になってしまうこともあるので、細心の注意が必要ですね。
子供は、ペットを失うことで心に大きなダメージを受け、今までの当たり前の日常が一時的に続けられなくなることもあります。大人の表情から気持ちが子供に伝わり、影響を及ぼすこともありますが、大人がペットの死後、ペットを大切に扱う姿を見せることは、子供の心の救いになります。
また逆に、子供のペットロスを心配してペットとの距離を置くような方法は逆効果になります。さらに、子供の悲しみを早く楽にしてあげようとする励ましの言葉も、気持ちとは裏腹にかえって温度差が生じてしまうこともありますので、気を付けましょう。
子供のペットロスによるグリーフを軽くしてあげるためには、大人が正しい認識を持っていることが大切なのです。
子供へのペット死後のケア
ペットの死後の子供のケアについて、
・ペットとの別れの悲しみを共感する
・遺体をなでながら名前を呼び、生前と変わらない姿勢でペットと触れ合わせてあげる
・ペットに手紙を書いてもらったり似顔絵を描いてもらったりして、今の気持ちをペットに伝えられるよう導いてあげる
・好きだった食べ物やおもちゃを側に置いてもらう
・お別れ花をペットに似合うように選んでもらう
・ペットの顔を拭いたりブラッシングしてあげたりして綺麗にしてもらう
・抱っこさせてあげたり膝にのせてあげたりする
など、子供の悲しみに寄り添い、ケアをしてあげましょう。
そして、これからもペットに挨拶をしたり話しかけたりすると、亡くなったペットも喜ぶことを伝えてあげるといいですね。
まとめ
以上のように、家族の中でも、特に子供とペットとの繋がりは独特で、大人とは違った心理状態を持っています。
大人の態度が子供の心に少なからず影響を与えるので、子供のグリーフケアには十分注意してあげてくださいね。
何か、お困りの事がございましたら、「天国への扉 練馬杉並店」までご相談くださいませ。